English Site
Google
Carna Biosciences Inc. / カルナバイオサイエンス株式会社

Kinase Inhibitor

近年、「分子標的薬」と呼ばれる、有効性が高く副作用の少ない新しい抗ガン剤が注目を集めています。従来のガン治療では、嘔吐、食欲不振、疲労などの症状や、血球数の減少に伴う感染症、貧血など、抗ガン剤自体によって引き起こされる副作用によって苦しさに耐えきれず治療を断念することも少なくありませんでした。これは従来の抗ガン剤がDNA合成や細胞周期を非選択的に阻害して、正常細胞より増殖の早いガン細胞を主に殺すことを目的として作られているからです。このとき、ガン細胞以外にも分裂速度の速い細胞(骨髄中の幼若造血細胞、口腔粘膜細胞、消化管上皮細胞、毛嚢等)も同時に障害を受けるため副作用を引き起こしてしまいます。一方、分子標的薬はガン細胞に特異的に発現している(あるいは過剰発現している)分子だけを狙い打ちして治療しようという目的で作られているため、従来の抗ガン剤がもつ副作用の発症を抑えることが可能になり、延命効果だけでなく患者のQOL(Quality of Life)の向上に非常に役立っています。

低分子化合物による最初の分子標的薬は、ノバルティスファーマ社が開発した抗悪性腫瘍を適応症としたキナーゼ阻害薬、「グリベック®」です。「グリベック®」はフィラデルフィア染色体の遺伝子産物Bcr-Ablキナーゼを標的とし、欧米で1998年より慢性骨髄性白血病を適応として臨床試験が開始されましたが、その治療効果は驚異的なものでした。通常、臨床試験では20~30%の患者に効けば「有効」とされていた過去の事例と異なり、1千人以上の患者の約90%で白血球数を正常値へ回復させたという、桁外れの効果をもたらしたのでした。その優れた臨床効果から、FDA(アメリカ食品医薬品局)は承認申請直後に「グリベック®」を優先審査対象品目に指定し、2.5ヵ月という過去に例をみない迅速な審査を行い2001年5月に米国での販売を承認しました。その有効性、安全性のゆえ、「グリベック®」の売上高は2007年にUS$3,050百万にまでのぼり、ブロックバスターとして抗ガン剤市場の牽引役となっています。

この「グリベック®」の大成功を機に、キナーゼ阻害薬の研究が一気に活性化し、現在では100以上のキナーゼ阻害薬が臨床試験中であり、すでに8つものキナーゼ阻害薬が上市されています。これらキナーゼ阻害を機序とする分子標的薬は、臨床現場において服用開始後わずか数日間で症状が消えるという非常に切れ味の良い優れた効果を示していることもあり、今後もキナーゼは創薬研究開発において最も注目される分子であるといっても過言ではありません。

キナーゼ創薬基盤技術の研究開発で得られた新しい発見とテクノロジーを駆使し、新規作用機序による画期的な新薬の創製研究開発を行っています。このために、生命情報学、分子生物学、生化学、創薬化学、薬理学、薬物動態学等の専門分野を連携させるとともに、大学などの公的研究機関とも密接に連携し、基礎研究力の強化も進めています。

研究開発では、疾患の分子メカニズムの基礎研究を通した標的キナーゼ分子の同定、新薬の創製を目指したハイスループットスクリーニングおよびリード化合物最適化のための薬理学的評価を行っています。こうした評価には分子生物学的手法、生化学的手法、実験動物取り扱いなど広範囲の技術、知識が利用されます。

また、キナーゼ阻害薬の医薬品化に向けた開発候補品の創製を行っており、リード化合物の最適化では、従来の合成法よりも高速で高収率なマイクロ波合成技術やフラッシュクロマトシステムによる精製の自動化、さらにタンパク質構造解析を基にした合理的分子設計などの最新技術を取り入れ、より効率的な創薬を目指した研究を進めています。弊社の基盤技術である250種類を越えるキナーゼ選択性プロファイリングパネルを適宜利用できることから、標的となるキナーゼに対し特異性の高い、副作用の少ない安全な新薬候補化合物を得ることが可能となります。

弊社の効率的な創薬技術を利用して創薬研究開発活動を行っていくにあたり、(1)見出された新薬候補化合物を適切な時期に製薬企業にライセンスアウトする自社型、(2)研究初期より製薬企業とのスポンサー契約締結をし、研究開発を進めていく受託型、および(3)弊社と技術的な補完関係に有る会社との共同研究型の3つのタイプを効率的に組み合わせて、パイプラインを充実させていく予定です。

共同研究パートナー 対象疾患
自社 循環器系疾患
CrystalGenomics, Inc. 免疫・アレルギーおよびガン
SBIバイオテック株式会社および
CrystalGenomics, Inc.
ガン
国立がんセンター ガン
Page Top