カルナバイオサイエンス株式会社

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SPRキナーゼアッセイサポート

表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)技術を用いた薬剤評価では、薬剤がターゲット分子にどのように結合し、どのように離れるかといった動的な情報(結合速度定数 ka、解離速度定数 kd)に加え、親和性の指標となる平衡解離定数(KD)など、薬剤の特性を深く理解するために重要なデータを取得することができます。

SPRは分子同士の結合イベントをリアルタイムで観察できる手法です。バイオチップの表面に固定化されたリガンドは、それぞれ固有の共鳴角度を持ちますが、他の分子が結合するとその角度に変化が生じます。この共鳴角度の変化を測定することで、分子間の結合や解離といった相互作用を可視化・解析することが可能になります。

技術の進歩により、近年のSPR装置は高性能化・高スループット化が進み、実用性が向上しています。一方で、キナーゼを対象としたSPR測定では、タンパク質の活性を維持しつつ、安定的にプレート表面へ固定化することが依然として課題です。

カルナのビオチン化タンパク質をSPR測定試薬としてお勧めする理由

効率的な固定化:N末端に1分子のみビオチンがラベリングされた当社のビオチン化キナーゼタンパク質はストレプトアビジンとの親和性が非常に高い為(右イメージ図)(上イメージ図)、効率的な固相化が可能で、非特異的な結合を抑えたアッセイ系の構築に適しています。

高純度:カルナ提供のビオチン化タンパク質はすべて80%以上の高純度で提供されており、不純物による影響の心配がほとんどありません。

活性状態の違いによる比較評価:カルナのビオチン化タンパク質の中にはATP処理により活性が高められている製品があります。これにより、未処理の非活性化製品との比較評価が可能です。
(右図 (上図 Case Study: Fenebrutinib vs. BTK activated and non-activated)

実証データ取得済み:ほとんどの当社提供ビオチン化タンパク質製品では既存薬とのSPRデータが取得されており試薬の性能を一から検証する必要がないため、実験の準備時間とコストを削減できます。
取得済みデータは、ビオチン化キナーゼタンパク質製品ページ上の各製品に添付されているRefrence Data からご確認いただけます(下図参照)。

ビオチン化タンパク質についてのお問い合わせ、ご質問、ご相談等はこちらよりまたはinfo@carnabio.com からご連絡ください。

HT-SPR (High Throughput Surface Plasmon Resonance)による親和性評価スクリーニングの有用性

初期スクリーニングにおいて、酵素活性評価に加えて親和性評価を取り入れることは、より精度の高い薬剤候補選定と開発リスクの低減が期待できる強力な戦略です。また、一部の化合物は、酵素活性を直接阻害しないものの、ターゲットに強く結合することで機能調節に関与する可能性があり、このような化合物は活性評価スクリーニングのみでは見逃されがちですが、親和性評価では検出可能です。加えて、後の化合物の構造最適化(Lead Optimization)において非常に有用となる結合の強さや速度情報を開発の早い段階で得ることはより効率的な薬剤改良に貢献します。

ULTRA HT-SPR(Carterra社)プラットフォームを用いて実施された高スループットスクリーニングでは、104種類のキナーゼと210種類の化合物の組み合わせから80,000以上のユニークな相互作用データが3日間という短期間で取得されました。

当社87種のビオチン化タンパク質に対して実施したCHR 6494およびTPCA-1のカイネティクスプロファイリングデータ。CHR 6494が多くのキナーゼに広く結合する一方、TPCA-1は非常に選択的な結合を示している。

当社ビオチン化タンパク質を使ったSPRアッセイ条件の参考文献

Journal of Molecular Biology, February 2017, 429, Issue 4, 574-586
Compound Selectivity and Target Residence Time of Kinase Inhibitors Studied with Surface Plasmon Resonance.
Willemsen-Seegers N1, Uitdehaag JCM1, Prinsen MBW1, de Vetter JRF1, de Man J1, Sawa M2, Kawase Y2, Buijsman RC1, Zaman GJR3.

Journal of Biomolecular Screening, March 2014, vol. 19 no. 3, 453-461
Quick Evaluation of Kinase Inhibitors by Surface Plasmon Resonance Using Single-Site Specifically Biotinylated Kinases
Daisuke Kitagawa, Masaki Gouda, Yasuyuki Kirii

キナーゼをターゲットとしたSPR測定試験の外部委託をご検討されている方へ
当社はオランダのバイオテック企業Oncolines社提供のSPR測定サービス、ResidenceTimer™ キナーゼ蛋白質相互作用解析サービスを国内で独占的に提供しております。詳細については下のリンクより専用サイトにてご覧ください。ご利用のご相談についてはお問い合わせください。
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