カルナバイオサイエンス株式会社

Company企業情報

社長メッセージ

2025年 年頭にあたって

昨年は、当社の新薬開発において、各パイプラインの開発が順調に進展しました。昨年の各パイプラインの進捗の概要および今年の目標について、以下箇条書きでまとめました。

自社パイプライン

docirbrutinib (AS-1763)
昨年、ASHで発表しましたように、docirbrutinibの高い安全性と忍容性、並びに治療効果の期待できる十分な血中薬物濃度と高い全奏効率を確認することができたことから、前倒しで用量拡大パート試験を開始しました。今年は臨床試験実施施設をさらに増やして、臨床試験のスピードアップを図ってまいります。そして、症例数を増やし有効性や安全性に関するデータの信頼性をさらに高めてまいります。
また、先行品であるpirtobrutinibとの差別化データの取得に全力で取り組みます。

sofnobrutinib (AS-0871)
免疫・炎症疾患の治療薬として臨床開発が進められている多くのBTK阻害剤が催奇形性を有する中で、昨年実施した生殖発生毒性試験(胚・胎児発生に関する試験)において、当社のsofnobrutinibには胎児の異常、すなわち催奇形性は確認されませんでした。この大きな差別化ポイントを訴求しながら、本格的なパートナリング活動を展開し、一刻も早いフェーズ2試験の開始を目指します。

monzosertib (AS-0141)
昨年は固形がんに対する用量漸増パートで全ての患者様の登録が完了いたしましたので、今年は、固形がんに対する拡大パート試験の開始を予定しています。また、血液がん(AML)についても用量漸増パートを開始しており、手応えを感じておりますので、患者様のリクルートを積極的に進めてまいります。

導出済みパイプライン

DGKα阻害剤 (GS-9911、Gilead社へ導出)
昨年末にGilead社から、開発状況に関する報告を受領し、フェーズ1試験が順調に進んでいることを確認しました。Gilead社との取り決めにより当社から詳細を皆様に伝えることができませんが、当社は順調な進捗に大変満足しています。

当社の各パイプラインに関して、ライセンス交渉に重要な臨床試験データが積み上がりつつあるので、各パイプラインの価値の最大化を目指し、製薬企業としっかりと交渉を進めてまいります。

本年も変わらぬご支援のほどよろしくお願いいたします。

2025年1月

カルナバイオサイエンス株式会社
代表取締役社長 吉野公一郎