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社長メッセージ
本年の年頭所見で、2023年は、さらなる成長・飛躍に向けて、当社が開発中の次世代型BTK阻害剤AS-1763の価値を最大化するために、ライセンス戦略も含めた、あらゆるシナリオを検討しつつ、アグレッシブに、全力を挙げて開発に取り組んでいく所存であることを申し述べました。その過程で、中国における今後の臨床開発についても検討しました。当初の計画では、中国における臨床試験データを先行して得ることにより、AS-1763の臨床開発を迅速に進めることを目指していましたが、新型コロナウィルス感染症の影響などにより臨床試験スケジュールに遅延が生じ、AS-1763のグローバル開発計画に影響が出てまいりました。一方で、米国ではフェーズ1b試験の開始準備が進んだことからライセンス戦略を見直し、AS-1763の中華圏における開発・商業化の権利をライセンスしたBioNova Pharmaceuticals Limited (以下、バイオノバ社)と議論、検討を重ね、今般、バイオノバ社に供与していたAS-1763の中華圏における開発・商業化の権利を当社が再取得することで合意に至りました。この合意に基づき、バイオノバ社は中国における新薬臨床試験開始届(Investigational New Drug (IND) application)に関する申請書類および関連データをすべて当社に移管します。中国の医薬品市場は世界第2位の規模に成長しており、当社が中華圏を含めた全世界の開発・商業化の権利を保持することで、今後のライセンス活動における選択肢が広がり、株主価値を最大化できると考えています。中華圏におけるAS-1763の開発を協力して進め、中国でのIND申請の承認取得まで進めてくれたバイオノバ社に感謝したいと思います。
当社は現在、治療歴を有する慢性リンパ性白血病(CLL)・小リンパ球性リンパ腫(SLL)およびB細胞性非ホジキンリンパ腫(B-cell NHL)の患者を対象としたAS-1763のフェーズ1b試験を米国で準備中です。最初の被験者への投与を予定している治験実施施設との契約締結に時間を要していることから、2023年第1四半期に計画していた最初の被験者への投与は第2四半期となる見込みです。
引き続き皆様のご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
2023年3月
カルナバイオサイエンス株式会社
代表取締役社長 吉野公一郎