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NanoBRET™ TE Intracellular Residence Time 解析 Promega

創薬の早期段階で生体内に近い細胞内環境で得られたターゲットキナーゼと化合物の結合速度論的パラメーターは、IC50値だけでは知ることができない薬剤特性を明らかにし、化合物を速度論的に区別したり、望ましい速度論パラメータを持つように最適化することに役立てることができます。特異性および親和性評価に加え、ターゲットに対する化合物のResidence Time(滞留時間)を非平衡条件下で測定することで、その化合物が持つ治療薬としての可能性をより正確に予測できるかもしれません。

キノーム全体にわたるキナーゼ間のATP結合部位の配列と構造の類似性の高さが大きな要因となり、キナーゼ阻害剤開発においては薬剤の選択性の最適化は大きなチャレンジです。あるターゲットに対して複数の化合物が平衡状態においては同様の阻害活性 (IC50) や結合親和性 (KD) を示す場合でも、中には非常に異なったカイネティクス(結合速度定数: kon/解離速度定数: koff)を持つ化合物が含まれていることがあります。つまり、理想的な選択性を備えた薬剤の開発には適切な結合選択性に加えてカイネティクス選択性の調整も考慮する必要があるといえます。化合物が標的に長く結合するほどその潜在的な薬剤効果が大きくなることはよく知られていますが、この状態は相互作用の半減期または滞留時間 (1/koff) =Residence Timeで表すことができます。そのため、創薬の初期段階で化合物のResidence Time最適化を試みることは重要な要素となります。NanoBRET™ TE Residence Time 解析サービスでは、個々のキナーゼ標的に対する化合物の細胞環境においてのResidence Time最適化に結びつく情報をお届け致します。

データ解析参照情報
A New Method to Determine Drug-Target Residence Time of Kinase Inhibitors in Living Cell
(AACR-NCI-EORTC International Conference on Molecular Targets and Cancer Therapeutics, 2019)

(Note)
Residence Time (RT) 解析サービスをご利用頂くに際し、RT試験に必要な最適濃度を設定する目的で先ずNanoBRET™ アッセイ プラットフォームでお客様化合物の IC50値を取得して頂く必要があります。当社提供の IC50値算出試験はHalf log希釈系列による8濃度にて実施されます。算出されたお客様化合物のIC50値によっては、Residence Time 解析の実施が不可能な場合があります。

Residencce Time 解析ご希望のご相談をお待ちしております。

RN-486とFenebrutinibは、BTKに対して同様の阻害活性を示すがResidence Time解析においては異なる結果を示す

Ponatinibは、FGFR2とFGFR2変異体の両方に対して非常に類似した阻害活性を示すが、Residence Time解析においてはそれぞれのキナーゼに対して異なる結果を示す

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