カルナバイオサイエンス株式会社

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社長メッセージ

2026年 年頭にあたって

昨年は高市氏が総理大臣に就任し、早速にガソリン税の暫定税率の廃止や、年収の壁の178万円への引き上げが決定されました。長年の大きな壁が打ち破られたことから、今後も各種改革が進み長年停滞していた日本経済が低迷から脱することができるのではないかという、明るい希望が広がりました。

一方当社におきましても、私が感動した明るいエピソードが2つありますので、それを紹介いたします。

一つは、AML患者を対象とするCDC7阻害剤monzosertibとアザシチジン、ベネトクラクスの三剤併用療法の評価を目的とした医師主導治験をMDアンダーソンがんセンター白血病科のDr. Maitiが責任医師となり実施することについて、同センターと覚書を締結したことです。この発端は、昨年の4月に開催されたAACR(米国がん学会)で、当社が三剤併用療法に関する基礎研究結果をポスター発表したところ、これを見たDr.Maitiが結果を高く評価し、医師主導で臨床試験を行いたいと申し入れをしてくれたことです。医師主導治験は高い優先順位で進められ、企業の負担も少ないことから有難くこの申し出を受けさせていただきました。今年は、Dr. Maitiと共同で本プロジェクトを強力に推進してまいります。

もう一つのエピソードは、12月にASH(米国血液学会)で、docirbrutinibの臨床試験の途中経過を報告した時のものです。 このポスター報告にDr. Brian Koffmanが来られて、熱心に質問をしていただきました。 Dr. KoffmanはCLLの分野では最も著名な医師であり、同時に患者として病と闘い続ける不屈の精神、生き様はCLL患者の希望の灯火となっています。Dr. Koffmanは2005年に5年生存率5%という悪性度の高いCLLに罹患されましたが、骨髄移植、CAR-T細胞療法などの先端治療を含む、あらゆる治療を受けながら20年を生き抜いてこられました。個々の治療でCLLが寛解しても残念ながら再発し、その都度、治験段階の薬も含む治療を続けて命をつないでこられました。その間CLL患者に最新の情報を伝えたり、臨床試験を促進するためにNPOのCLL Societyを設立されました。いまでも、自らASHやEHA(欧州血液学会)に参加し、活発に、議論、質問をされています。今回も当社ポスターの前で活発な議論をした後、既存のCLL治療薬はまだまだ不十分なので、臨床試験を頑張るよう激励いただくとともに、新しい薬の研究開発をしてくれてありがとうとのコメントをいただき、そこにいた当社メンバーは大変感激するとともに、改めて一刻も早く患者様の下へdocirbrutinibを届けなければならないと気を引き締めた次第です。当社は今年もdocirbrutinibの臨床試験を最速で進めるべく、力を尽くします。

昨年のサプライズは、GileadのDGKa阻害剤GS-9911がパイプラインテーブルから除かれたことです。最初は全く事前情報が無かったので驚きましたが、その後ライセンス契約が続いていること、また年末に受領したレポートではプロジェクトが続いていることを確認することができました。全く新しいメカニズムの薬は、最適な適応症や併用薬を見つけるのに試行錯誤が必要なことも多く、いったん立ち止まってしっかり結果を解析することもよくあります。Gileadが全く新しいメカニズムの薬をどのように実用化に持っていくかを見ることは、当社にとっても貴重な経験となりますので、今後の流れをしっかりと見ていきたいと思います。

最後に当社が導出を目指しているsofnobrutinibですが、各社と導出交渉を進める間に、当社が当初想定していなかった疾患への応用も見えてまいりました。現在、どの疾患をターゲットにどの会社に導出するのが良いかを考えながら複数の会社と交渉を進めております。なるべく早期に最良のパートナーと合意に至りたいと思います。

今年の干支は60年に一度の丙午(ひのえうま)ですが、GoogleのAIによれば、「火のエネルギーが最も高まる、情熱と行動力に満ちたパワフルな年です。内に秘めた願望が爆発的に動き出す年と言われます。目標に向かって大胆に挑戦することで大きな飛躍が期待できる一方、エネルギーが強すぎるため冷静なコントロールも重要になる、そんな勢いのある年です。」とのことです。
当社はこのエネルギーが満ち溢れる年に、目標に大胆に挑戦し大きな飛躍を遂げたいと思います。

2026年1月

カルナバイオサイエンス株式会社
代表取締役社長 吉野公一郎