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キナーゼの働きと病気

キナーゼとは

ヒトの体は約60兆個の細胞から構成されており、その細胞内に518種類のキナーゼが存在するといわれています。細胞の表面には様々な情報伝達に必要なアンテナのようなもの(受容体)があり、細胞間で信号のやり取りをしています。主にこの信号を伝達しているのが、キナーゼです。

細胞を構成している主成分はタンパク質です。このタンパク質にリン(P)を付加するキナーゼをタンパク質キナーゼと呼びます。細胞内でキナーゼはリン(P)が付加された状態【ON】とリン(P)が付加されていない状態【OFF】を繰り返しています。

正常なキナーゼ

細胞の外部から信号(刺激)を受けることで、キナーゼは別のキナーゼにリン(P)を付加して、細胞の増殖、分裂、死亡等の指令を出します。

異常なキナーゼ

外部からの刺激に関係なく、突如、異常キナーゼが働きだし、リン(P)を付加することで、細胞の増殖等の指令を出します。異常なキナーゼは、指令を出し続けるので、必要以上に細胞が増殖等してしまいます。

キナーゼ阻害薬による治療

異常なキナーゼに特異的なキナーゼ阻害薬を結合させることで、他のキナーゼにリン(P)を付加できなくなります。細胞が異常に増殖等することもなくなります。

※ リン(P)
リンの元素記号は「P」です。体内では、カルシウムに次いで多いミネラル分で骨や歯を作る主要な材料です。遺伝情報の要であるDNAやRNAのポリリン酸エステル鎖として存在するほか、エネルギー代謝に欠かせないATPなど、重要な働きを担う化合物中に存在しています。